空気は、圧力の高い所から 圧力の低い所へ流れようとする。 現代F1マシンはサイドポッドにフェアリングフィンを備えており、その車体形状を考えると、フェアリングフィンの上側では圧力上昇し、下側では圧力低下している筈である。 サイドポッド側面の気流で、フェアリングフィンよりも下側を通る気流は、低圧部であるコークボトル部へと吸い込まれ、後輪の内側へ向かう。 しかしフェアリングフィンよりも上側を通る気流は、この車体の圧力分布上、車体内側方向へと流れ込みにくいのではないだろうか。 (過去にレース誌に掲載されたCFD解析画像を筆者が観た際も、サイドポッド側面の気流はフェアリングフィン上面へはあまり回り込んでいない様に観えた。) |
←黄色がミニウイング (上側にも翼端板の有るタイプ) ←赤色がフェアリングフィン |
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(←注意:図はCFDではなく筆者が描いた圧力分布イメージ) 赤が高圧 青が低圧 緑が翼端渦を示す |
実際の流れ方が上記の様になっている場合、フェアリングフィン上面の流速は遅く(=空気がゆっくりと漂う状態に)なっている筈である。 流速低下は圧力上昇となるので、フェアリングフィン上面は高圧となりダウンフォースを発生する。
しかしこの流れ方では、フェアリングフィン上面の高圧で獲得したダウンフォース量の割りに、
後輪部分での空気抵抗が増す結果となってしまうかもしれないと思う。 そこで近年のF1マシンは、翼断面のラジエターチムニー外側とミニウイング下面で低圧部を発生させ、 サイドポッド側面上部からフェアリングフィン上面へと流れを少し吸い込んでいるのではないだろうか。
こうした理由を筆者は、ミニウイング上面の高圧流の外側へのこぼれ方(翼端流の形状)を工夫し、 フェアリングフィン上側の流れ方を調整しているのではないかという可能性を考えている。 サイドポッド側面上部を通り、フェアリングフィン上側で流速が低下した気流(=推進エネルギーを失ってゆっくりと漂う空気)に、ミニウイングの翼端渦を当てる事で運動エネルギーを与え、 こうする事でこの辺りの流し方をデザイナーが積極的にコントロールしているのかもしれない。
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(イラストはMP4-20ではなく 筆者が描いた適当なマシン) |
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