かなり大まかだが左図、MP4-25の横から見たサイドポッドを示す。 F1誌にて、開幕戦のMP4-25のサイドポッドのカウル内側の一部の写真を観る事ができた。 左図:赤い線は高速流を示し、青い線は低速流を示す。
どうやらMP4-25は、ラジエーターを通過した熱気流をダクト(黄色い部分で示す)で、
わざわざ前方へと導き、その熱気(流速が遅く、圧力が高い)をサイドポッド上面前側のスリット(かなり幅を広く切ってある)から排出させている様だ。 |
そして大きく盛り上がったサイドポッド上側の高速流(=低圧)により、
スリット内(遅く高圧)の熱気を吸い出す効果が期待できる為、冷却性能にも寄与するだろう。
この分、ボディ後部のラジエーター熱気排出口を小さくでき、空力性能が向上するが、
その代わりダクトの内部抵抗はだいぶ大きそうだ。
こう損得を考えてゆくと、何故こんな複雑で重量増加にもなる設計とするのか疑問符が付きそうだが、
こういった設計とするメリットとして有る事は、
ダクトの前側に、サイドポッド内の衝撃吸収構造を配置し易い事が挙げられる。
サイドポッド上面前端の厚さを薄くする場合、リフトの発生は軽減できるが、衝撃吸収構造を収め難い。
尚、このスリットが開けられている部分は、規定で定められている、
「ボディワークの角には75mm以上のRをつけなければならない区間」より前側にある様だ。
でなければ車輌規定違反となる。
気流は後方へ流すものと云う固定観念的な概念の壁を打ち破ったこのアイデアを筆者は大いに評価したい。
Site TOP | マクラーレン index |
---|