空力的には、プッシュロッドもプルロッドも、それぞれクリーンなエリアとそうでないエリアがあるので一概に優劣はつけられないだろう。
サイドポッド上面のラインは近年の流行通り、全体的に後部への落とし込みが大きい。
これはサイドポッドとリヤウイングがセットとなって、全体で大きな窪みを作り出す事で大きなダウンフォースを得る空力コンセプトだ。
そしてMP4-28の空力コンセプトは、トレンドに乗った、ハイ・モノコック、ハイ・ノーズとされた事が確認できた。
これによりフロントサスの上下アームはハの字の角度が強くされ、車体下部へ大量のクリーン・エアを送っている。
マクラーレンは昨年まで、低いモノコックとノーズの空力コンセプトであったので、プルロッド化よりもこちらの方が変更の影響が大きい。
この“ハイ…コンセプト”により、L/D比(空気抵抗あたりの発生ダウンフォース量の効率)が昨年車よりも大分進化しているだろう。
尚、カラーリングされているので形状が判らなくなっているが、ノーズ上面には“化粧カウル”を装着している様子だ。
これは昨年不評だった段差ノーズの改善案で、空力面のアドバンテージにならない程度の形状が許可される。
リヤビューミラーはL字のステーで支持され、このステー底面を気流進路の制御に利用している。
これは面積の制限はあるが、ミラーとそのステーは現在のフラットボトム規定に適用されていないので、空力的に工夫の価値が高いポイントだ。
今回のマクラーレンで気になるポイントの一つが、サイド・ディフレクターのRの描き方だ。
これは気流を上下と外側へと跳ねるパーツだが、外向きから内向きへとRが戻る地点が早い(=手前の方の)位置となっている。
これは車体底面へ流れ込む気流進路に非常に大きな影響を及ぼすポイントで、他車とMP4-28のどこが違うかと言えばココが大きな違いだ。
トレンド通りのハイ・モノコック、ハイ・ノーズとしてきても、サイドの流れに独自色を出してくる辺りがトップチームの開発陣の魅せ処か。
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