2019年の改定されたレギュレーションは、F1通信のページを参照。
マクラーレンがルノー製のパワーユニットを積む2シーズン目。
2019年 2月14日、マクラーレンは2019年用マシン「MCL34」を発表した。
「MCM34」の写真は F1-Gate.com 等を参照。以下、概観から筆者の私見を記す。
フロントサスはメルセデスの様にハイマウントウィッシュボーンとなった。
これは車体下流のクリーン度合いに寄与し、ゲインの大きい車体下面の空力に寄与する。
バージボードは全体的に囲い形状で、レギュレーションで許される最大範囲がよく判るデザインだ。
ポッドウイングは簡素な状態なので、開幕までにアップデートされるかもしれない。
サイドポッドは明らかに昨年のレッドブルの模範だが、
アンダーカットの深さや、上面の斜めラウンドや、コークボトルの絞り込み幅など、レッドブル程には攻め込んではいない様に見える。
インダクションポッドのエアインテークは横方向に大型化された。
昨年車があまりに小さかったので、適正値と云えるかもしれない。
ここに入る空気は、エンジンの吸気だけでなく、ハイブリッドシステムの冷却にも使われている筈だ。
サイドプロテクターの外側は、シャークルーバーで廃熱しているが、
この辺りは頭部保護デバイスのヘイローが起こす乱流があったりで、あまりクリーンなエリアとはなっていない様に思われる。
それならば後流に然程影響しないから、そこへ廃熱してしまえという感じかもしれない。
エンジンカウルの上端ラインがストレートではないところが珍しいが、空力的なチューニングの結果だろうか?
リヤサスペンションのプルロッドは、レッドブルの様に大きく前方へ伸びばし、色も銀色となった。
後輪ホイールの内周は、メルセデスに習って細かい渦流を発生させるギザギザがついている様に見える。
こう処理される事で、後方を走るマシンに空力的な影響があるかもしれない。
リアウイングは、新規定でDRSのフラップが開く量が大きくされた為か、リヤウイング上面のDRS作動装置が高い位置まである。
リヤウイングステーは2本になった。 現時点では、テールライト上面のカットスポイラーは装着されていない。
マクラーレンは昨年車が空力面で大失敗をしてしまったので、今季マシンは空力デザインを一新した…と云うより、
一新せざるをえなかったというのが本当のところだと思うが、それでもまだ攻め込み方が少し保守的に感じる。
昨年より悲惨な事にはならなそうだが、昨年は空力の相関の時点で困った事になっていたと云う事なので、走ってみるまで判らない。
ドライバーは、新加入のカルロス・サインツJr.と、新人のランド・ノリスのコンビだが、
マクラーレンがドライバーを一度に2人同時にシャッフルするのは一体何年ぶりの事だろう?