街乗りCARのリヤエンド 空力デザイン by tw (2011. 9.09土)

Web掲載日:2011. 9.10土
筆者に拠る乗用車の空力デザイン手法は、現在(2011年)となっても
90年代後半の頃から特に変わってはいない。

まず、車体の後方で引きずる空気の塊、「ウエイク」の量を軽減する為に、なるべく後部では上下左右の車体を絞り込む訳だが、

この際に重要な事は、車体の後端部の気圧が大気圧と同じ、
つまり+−ゼロとなっている必要がある事だ。

もし、ウエイクを軽減しようとボディを大幅に絞込み、車体後端の気圧が負圧となっていると、 その負圧が車体全体を後方へ引っ張って、空気抵抗を軽減できなくなってしまう恐れがあるからだ。

ただし、(個人的には、)車体下面の後端は、多少負圧となっても構わないかなと想定している。
基礎理論では、「ダウンフォースの発生」=「誘導抵抗の発生」が無い方が空気抵抗は少なくなるが、
空力効果が表れるのは高速域であり、高速域では車輌の走行安定性を確保する為に、 タイヤのグリップ力を増す目的でダウンフォースがあると安心だからだ。

なのでCFDや風洞で、車体の上面と側面の気圧がマイナスにならない様に調整しながらボディ後端を絞り込む。


そして車体後端をなるべく鋭利な形状として、車体後端から気流を後方へと切り離す。この手法はカットスポイラーと呼ばれている。

もし、車体後端をなだらかな形状で車体の縦の後面へとつなげると、(そういった車は街でよく見かけるが、)
後流がウエイクと常に混じってしまい、リヤエンドの正圧と負圧の制御が難しくなってしまう。

なので、後端をスパッと切ってしまう事で、後ろへ流れる空気とウエイクをなるべく明確に区別したい訳だ。


尚、今回のこれは空力阻害物だが、車体の四隅に、ミニ四駆・フェンスカーの様なコーナリングローラーを設けた。
これプラス、サスの様にローラーをバネでストロークさせる機構とすれば、筆者の様に車庫入れで多少壁に擦っても大丈夫だ。

(このページの最新更新日: 2011. 9.10土

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