1996年用 F1マシン空力デザイン by tw

デザイン日:1995.12.31
Web公開日 :2006.11.23




筆者が18歳の時の、翌(1996)年用のF1マシンデザイン。
同じ時期に開発されていた童夢のF1マシンと比べてみてどうだろうか?
この時代の筆者のマシンデザインは、ホイールベースは短いものが主流だった。

前輪内側の小型ディフレクターはセンターキールから支持し、この水平ステーは、僅かにダウンフォースを発生させる形状とした。

サイド・ディフレクターのステーの一つは、空気抵抗を軽減する為に、アッパーアームの後ろ側に隠れる様に設置した。




翌1996年シーズンから、クラッシュ時にドライバーの頭部を保護するサイド・プロテクターの設置が義務付けられる事となっていたが、
このマシンをデザインしている時点では筆者は未だその規定の詳細を知らなかった為、
頭部保護を一番の目的として、大きめのパッドのデザインとした。
このプロテクターに当たる気流は、横方へ逃げる事となる。




筆者のこの時代のF1空力デザインの特徴は、サイドポンツーン上面に段差をつけて、内側を低く、外側を高くする事。

サイドポンツーンの高さは、リヤウイングへ多くの気流を送る為には低い方が良く、
しかし前輪の巻き起こす乱流を整流するには高い方が都合が良いと考えていた。

尚このマシンでは、車体を真下から透視した時に、
サイドポンツーンの幅が最大となる部分と、
ステップボトム部の幅が最大となる部分とを同じ前後位置とした。




ギアボックス側のドライブシャフト付け根部分は、ディフューザーからつながる処理を施す等、芸が細かい。

このマシンをデザインしている時点では、筆者は恥ずかしながらテールライトを車輌後端に設置しなければならないレギュレーションに未だ気付いておらず、
透明のカウリングを施して、リヤエンドの左右を合流させ、後流の剥離を防ごうとしていた。

ただしこの形状は結果的に、規定で定められる前にリヤの衝撃吸収構造を先取りしていた。
このリヤエンド形状の都合上、リヤウイングは上段ウイングからギアボックスへステーを伸ばした。



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