1998年からF1GPでは、インダクションポッド(ロールバー)の上にオンボード・カメラ、もしくは
それと同等の形状のダミーカメラを装着する事が義務付けられている。
このカメラは上下対象の翼形状で、ただ装着しているだけでは純粋に空気抵抗を発生させるだけである。
上下対象翼の為、このパーツが発生するリフト量もダウンフォース量もほぼ等しくなっている。
(「ほぼ等しい」という意味は、翼下側にはステーが有る為、若干流れ方が異なる為。)
そこで当時筆者は、このカメラをただの純粋な空気抵抗パーツとしてではなく、何らかしらの空力利用が出来ないか考えた。
スケッチが見つからない為時期は不明だが、少なくとも2001年には以下の様な手法で空力デザインしていた。
今回あらためてスケッチし直して最新の空力デザインで掲載する。赤が高圧域、青を低圧域として示す。
上図がノーマルの状態。 カメラは空気抵抗となり、 発生するリフト量もダウンフォース量もほぼ等しい。 | 上図が筆者の空力アイデア。 カメラの下側のやや後ろ側にウイングを備える事によって、 カメラの後方に気流を供給し、 カメラを純粋な空気抵抗発生パーツとさせない様にした。 |
この装着位置だとウイングの付け根の流れ方に無理がある。 | この装着位置ではウイング上側の高圧がカメラへ作用しない。 ウイングに角度をつければカメラへ気流を供給できるが、 そうすると重要なリヤウイングへの気流進路に悪影響が出る。 | この装着方法が筆者のアイデア。 カーブしたウイングは上面の気流を内側へ寄せる働きが有る為、 カメラの方向へ気流を供給するのに好都合だ。 |