「頭部保護デバイス Halo の改良案」

発案 & イラスト & text by tw
Web公開日: 2022年 8月12日(金)


今(2022)年のF1イギリスGPにて、スタート後、アルファロメオの1台が他車との接触により、車体が横転し、
その車輌の 頭部保護デバイスHalo の頂点の形状がほぼ水平に近かった事から、「車体が上下、裏返しのまま路面を滑空してしまい、」
結果、最後にサンドトラップで車体が上方へ跳ね飛ばされ、コースの脇のキャッチ ネット(網)に確保された。

Haloは特に損傷しておらず、摩擦していても、まだ残っていて、
しかし安全面で深刻であったのが、ヘルメット後ろのロールバーが路面と摩耗したせいか、非常に削れて、ほぼ無くなってしまっていた。
これはアルファロメオの車体のリヤロールフープ形状が、太めの縦の板状のバーであって、
F1で多くの他車の様な上下逆V字形状のロールフープではない事も一因なのかもしれない。

映像から、キャッチネット着地時の車体へかかったGフォースは全く大した事はなかった様だが、
シルバーストーン サーキットの、今の1コーナー先のそのキャッチネットの下側の空間(通路 兼用)が問題で、F1車両が落下するにあたり狭過ぎた。
それで今の車体の構造上の理由から(Haloが在る為)、マーシャルがドライバーを取り出すのに長い時間、非常に苦労していた様子であった。

そこで筆者は、その事故が、Haloの上面が水平に近い形状となっているのが問題の一つなのでは?と考え、以下の構造を発案した。



Haloの上側にロールフープを追加するのである。
この素材は、剛体か衝撃吸収体かにするかで意見が分かれると思うが、
要は、車体が裏返しのまま滑空してしまうのを防止したいし、少し緩衝させると良い様にも思う。
主な目的は、ひっくり返る事故の時に、車体を左右へ転がそう、裏返しで滑空させない様にしよう、その為のアイディアだ。

一般的には、もしクルマがごろごろと激しく転がると酷い事故の様に見えるのかもしれないが、
実際には、物理的に、それで運動エネルギーをどんどん分散して、結果、ドライバーの怪我となるGフォースを軽減できるのだ。

(このページの最新更新日: 2022/ 8/12金)

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