先日のレースで投入されたレッドブルの様に、上下2つのダクト(それぞれリヤウイング上面と下方へ向ける)を設け、
上側のダクトに気流を通過させると空気抵抗とダウンフォースが軽減し、
下側のダクトに気流を通過させるとダウンフォースと空気抵抗が増加する。
先日投入されたレッドブルと今回筆者が考案したデバイスは、作用の原理自体は同じだと思うが、
今回筆者が考案したアイデアは、Fダクトの切り替えを左右のペダルで切り替える点(恐らく)と、
Fダクトのエアインテークをノーズ上面の左右に2つ設ける点で異なる。
「ダクトの途中の穴」はペダルの横側に開けておく。
この構造により、ペダルを踏み込めば「ダクトの途中の穴」は開放されるし、ペダルを戻せば「ダクトの途中の穴」は閉じられる。
「ダクトの途中の穴」を開放すれば、Fダクト内を通過する空気はコクピット内へ流出し、そして車体の外へ漏れる。
「ダクトの途中の穴」を塞げば、Fダクト内の気流はFダクト後端の排出部まで供給される。
ノーズ上面の、車体左側のダクトは、リヤ・ウイング上面へと繋がり、中空フラップ内部に空気を充填し、
フラップ裏面に開けたスロット(=上下5mm程の隙間で、フラップ左右全域へ開けてある)から排出し、
リヤ・ウイング後方の低圧による空気抵抗を軽減する。
ノーズ上面の、車体右側のダクトは、リヤ・ウイング下方へと向かい、
そこへ気流を供給する事で、ウイング下面の流量(=流速)が増し、ダウンフォースが増す。
スロットルを踏み込めば、下側のダクト(車体右側を通る)が機能し、空気抵抗が軽減する。
ブレーキを踏み込めば、上側のダクト(車体左側を通る)が機能し、ダウンフォースが増す。
*このページを綴っている時点では、Fダクト・システムは来(2011)年度から規定で禁止される見通しとなっている。
下図:スロットル全開。上側のダクトに空気が供給され、リヤウイング後方の低圧へ気流を供給し、
車体の空気抵抗を軽減する。同時にダウンフォースも軽減する。これはストレート・スピードアップに寄与する。
下図:フル・ブレーキング時。リヤウイング下面へ気流を供給し、ダウンフォースを増加させる。(同時に空気抵抗も増す)
両者の比較。実際にはこれほど極端な違いは生まれないのだが、解り易い概念の比較として掲載する。