後輪中心線よりも後ろで、リファレンスプレーン上方300mmから700mmまでの間で、
車体中心線から左右75mmから480mmまでの間のあらゆるボディワークは、
車体を横から見た時に、
リファレンスプレーン上方300mmから400mmまでの間で、
後輪中心線とそこから後方600mm以内に配置されなければならない。
そしてそれは車体を横から見た時に、
いかなる縦の閉鎖的断面も1つ以内でなければならない。
そして、[下のエリア]は、次の要素を満たしていなければならない。
後輪中心線の後方200mmから590mmまでの間で、
車体中心線から左右75mmから480mmまでの区間には、
必ずボディワークが存在していなければならない。
底面はフラット(公差±5mm以内)に成型されていなければならない。ただし、
前端では半径50mm以内のRをつける事を許可し、そして
後端では半径 5mm以内のRをつける事を許可する。
底面の両端のRは、前端から後端までが直線的なレートで縮小される形状を許可するが、
その範囲を超えるRがつけられてはならない。
底面は、リファレンスプレーンの平行線に対して
5度以上の角度で後傾していなければならない。
ボディワークの厚みの最少断面寸法義務として、
車体中心線から左右75mmから480mmまで連続して
底面に対して垂直に50mm以上となっている部分を、
後輪中心線の後方200mmから600mmまでの区間のどこかで持っていなければならない。
この規定案について、
コース上での追い抜きが可能な空力とする為に、FIAは左右分割リヤウイングを提案しているが、
従来のF1マシンとあまり概観を変えずにFIAの案と同様の空力条件を作り出す案として考案した。
発想のヒントになったのは、昨(2004)年のBARのミッドウイング。
これまでのF1マシンは、車体底面からディフューザー、リヤウイングの下段、そして上段と、
リヤエンド全体を一体として機能させて気流を跳ね上げ、車体底面の空気を吸い出していた。
そこでこの規定案では、リヤウイング下段の段階で気流の跳ね上げを終結させ、
ダウンフォース発生量を抑制すると共に、後続車の下部へ向かう気流量の確保を狙った。
リヤの下段ウイングを後傾させる必要性があるのは、
F1マシンの前後の地上高のセッティングが車体を前傾させているという理由もある。
規定で定める後傾角度は、風洞実験で最適値を追求する必要があるが、
とりあえずここでは5度としておいた。
尚、上記の規定案では、
テールライトの置かれる車体中心線から左右75mmの部分は規制外のままだが、
更にテールライトを配置する高さを規制する等の措置を施す事で、
この150mm幅の部分でのセンターディフューザーの延長(跳ね上げ)は阻止できる。
下段ウイングに最低50mmの厚みを義務付けた理由は、
ウイングの薄さの追求を規制し、安全性を確保する為。
リヤウイングの上段では、間隙フラップを許可しておくと大きな迎角とされてしまうので、
上のエリアでもエレメント数を1とした。しかし、少しでも大きな迎角とする為に、
ウイング下面に細かい渦流を発生させる目的の突起物を付ける等されるかもしれない。
尚、サイドディフューザーの跳ね上げの高さも、2005年の規定の75mmから50mmへと削減した。
-------
【 2004年 F1レギュレーション案へ戻る 】
[Site TOP] [tw-idea]