まずはフォーミュラーカーにおけるサイドポッドの空力的な役割の一部について筆者の見解を述べる。 フォーミュラーカーでは回転するタイヤが車体からむき出しの状態で走行する為に、 タイヤに当たる気流はかき乱され、この乱流が車体へ影響して、大きな空気抵抗(Dragと呼ぶ)を発生する。
フォーミュラーカーにおいて空力的に重要な区間は、車体底面と前後のウイングの流れの3点である。
そこでタイヤの巻き起こす乱流を整流する為に、サイドポッド側面の形状で空気の流れを絞る事で整流している。
その為、タイヤが巻き起こす乱流を整流する為には、サイドポッドはなるべくタイヤと同じ高さである事が望ましい。
そこで筆者は、サイドポッド上面の内側を低くし、外側を高くするデザインを発案した。 |
1994年当時、サイドポッドの最大幅は車体中心線から左右へ700mm以内であった。 当時はまだドライバーの頭部を保護するサイドプロテクターの規定が導入されていなかった為、 サイドポッド上面の内側を低く、外側を高くできるデザイン・スペースが有った。 | ||
しかし1996年からドライバーの頭部を保護するサイドプロテクターの規定が導入された為、 コクピットの幅は、最低でも車体中心線から左右へ580mm必要となった。 これにより外側の高いサイドポッドとコクピット側面との空間が狭くなり、 デザインの余地が厳しいものとなった。 気流の通路が狭いと空気抵抗となる。
そこで段差付きサイドポッド車としたチームの多くは、 |
「グランプリ トクシュウ」誌の6月号に拠れば、 2009年度のF1テクニカル レギュレーションのボディワーク規定は、 サイドポッドの最大幅は車体中心線から左右へ800mm以内と、2008年までよりも200mmも拡大された。 そして左右のタイヤの装着可能範囲も、2008年までの1800mm以内から、2000mm以内と200mmも拡大された。 この車幅の拡大は、車体底面と前後のウイングの空力効率を高める事となる。 安全面でも、側面衝突時の衝撃吸収力が高められる。
そして、このサイドポッド最大幅の拡大は、 |