既存のイナーターは、スクリューの溝を掘ったシャフトが横方向へスライドする事によりフライホイールを縦回転させているが、
この構造はフライホイールを回転させるに辺り、力学面の抵抗があり、筆者は作動性が良くないのではないか?と考えている。
それと、その構造上、「ドン!」と突き上げる衝撃に弱く、速過ぎる動きにはクラッチを滑らせて各パーツを守る必要がある。
そこで今回、筆者は下図の構造を考案した。とりあえずF1のフロントサス用だ。
(機構の意図が伝われば良いので、寸法は適当。
理想のフライホイールのサイズも判らなかったので、大きなフライホイールでスケッチしてある。)
プッシュロッドが第1ロッカーを回転させ、そこからリンクした第2ロッカーがイナーターを回転させる。
このイナーターは外周がフライホイールとなっており、
第2ロッカーからのリンクロッドが、直接、フライホイールの外周を回転させるピロボールと接続してある。
プッシュロッドが少しの作動量でもイナーターが確実に働く様に、第1、第2のロッカーでストローク量を拡大させた。
そして第2ロッカーの回転軸は、アンチロールバーを兼ねているのもお得なポイントだ。
従来のイナーターは、車体のピッチ運動時のみに反応し、ロール運動には反応しないが、
今回の筆者の案では、左右のホイールの加速度を独立して制御できる。