整備性の良いプルロッド式 リヤ・サスペンション by tw

デザイン日:2010.12.31金
 Web公開日:2011.01.03月


赤い矢印はバンプ ストロークした際の動きの方向を示す。

トーションバーおよびコイル・スプリングはピンク、
ダンパーはオレンジ、 ロッカーは青、リンク・ロッドは黄緑、
ピロ・ボールは黄色、取り付け部品は茶色で示した。

今回筆者が発案したこの形式は、トランスミッションを小型化する程に、
サス・ユニットを低く配置でき、重心高を低く出来る。

プルロッドとロッカーの接続に角度があり、作動性が若干損なわれるが、
これは車体の空力上の理由からこの様にレイアウトした。

サスペンションのアンチ・ダイブ、アンチ・スクワットのジオメトリー上、
アッパーアームは前傾、ロワアームは後傾に設計される為、
ホイールのストロークは(大まかに)垂直方向の軌跡を描く。

よって、プルロッドの上下移動の軌跡は、プルロッドの取り付け先が、
アッパーアームか、アップライトか で異なる。

プルロッドをアッパーアームへ取り付ければ、
プルロッドの軌跡はアッパーアームの前傾角に支配され、
プルロッドをアップライトへ取り付ければ、
上下アームのサスのジオメトリーの軌跡に支配される。


プルロッド式の採用は、空力上の理由から、ギヤボックス上面を低くしたい為だ。
プッシュロッド式では、サスの作動性とリヤエンドの高さ=空力効率は、どうしてもトレードオフになってしまう。

今回の筆者の方式は、昨年のレッドブルよりも重心は高い筈だが、整備性では有利だと思う。
現在はシーズン中のテスト走行規制がある為、出来ればレースウィークでのセッティングや部品変更にかかる時間を短縮したい訳で、
(実際、プルロッドのレッドブルは、予選中にアンチロールバーが故障した際に、時間的に部品交換が間に合わなかった様だ。)
ならば今回筆者が発案したこの方式も選択肢として、もしかしたら有りかもしれないと考えた。

(このページのここまでの最終更新日: 2011.01.03月)



(左&下図) 上のサス形式の使用例。

空力的には、出来るだけダンパー&コイル・スプリング・ユニットを小型化し、
ギヤボックス・ケーシング内部へ収納したい。

はみ出た分は仕方がないので、その開発レベル時点では一旦諦める。
どんどん小型化を進めてゆけば良い。

アッパー後ろ側アーム取り付け位置よりも上には何も無い。
普通のプッシュロッド式よりはリヤエンドを低くできた。


ギヤボックス・ケーシング上面のフタを取り外せば、
メカニックがサス・ユニットへアクセス出来る。



(このページの最終更新日: 2011.01.05水)

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