ザウバー C23 text by tw (2004. 4.12)
これを書いている時点で2004年シーズンは序盤の3戦を終了したが、
ザウバーC23のラップタイムは、基本的に昨年のフェラーリをコピーしたマシンとは思えない程に遅い。
事態が一向に改善されない理由の 中核的な部分 は、
C23がパワーステアリング・システムを未装着である事と思われる。
現在のF1でパワステ未装着車は、全チーム中でザウバーC23のみと言われており、
これは各話の出所からして、まず間違いの無い情報と思われる。
現在のC23がタイムの遅い中核的な問題は、
単純にドライバーがステアリング操作に大きな問題を抱えている事がまず始めに有り、
パワステが装着されるまでは、本来のC23の速さについて判断できる段階ではないと言える。
C23が序盤の3戦で各セクターの最高速が高かった理由は、
ステアリングの重量対策に、レス・ダウンフォースの方向でセットアップしていた可能性も考えられないだろうか。
ザウバーがC23にパワステを装着できていない理由については、
FIAが "C23" をチェックした際に、パワステがフェラーリと全く同じ仕様で、
それが却下されたという事が言われている。
その話が事実の場合は、
C23の設計データは、各部にF2003-GAとは僅かな違いを作ってある事が考えられる。
果たしてザウバーチームは、F2003-GAのコピーマシンに装着可能で、
且つ問題無く作動するパワーステアリング・システムを開発できるだろうか?
そしてそれにはどれ程の時間が必要だろうか?
既述「昨年のフェラーリのコピーなのに、開幕戦で遅かった理由」(2004. 3.10)
の内容が、C23のパフォーマンスの中核的な問題となるのは、それ以後の話になると思われる。
(このページの最新更新日:2004. 4.12)