2007年 1月16日、BMWザウバーの2007年用マシン「F1.07」が発表された。 写真は、F1racing.net、F1Live.com等を参照。 以下、概観から筆者の私見を記す。 各部パーツの呼称については、[各パーツの名称]ページを参照。 |
左図は昨年の筆者の空力アイディアのスケッチ。
BMWザウバー「F1.07」のフロント・ウイング両端の前端は、筆者が昨年の9月16日に本サイトで公開したF1マシン・デザインとほぼ同じ形状である。 |
F1.07のフロント・サスペンションは昨年同様、大きくハの字に降りる上下ウィッシュボーンで、 ロールセンターをほぼ無視した空力優先のコンセプトとなっているが、 しかし、せめてもの努力でモノコック底面は僅かにミニ・ツイン・キール状となっている。 上下アームがあれだけ大きなハの字となっていると、 フロントでは車体の運動性能をサスペンションとして受け持つ事は困難な筈で、 全体的に見ても、前後ロール軸が異様に前上がりとなってしまう。 その為フロント・サスには頼る事はできず、フロント・タイヤの構造に頼らざるを得ないと思われる。 フットボックス上面の高さはフェラーリやマクラーレンの様に、 リファレンスプレーン(車体底面)の上方550mmより多少高い位置にあり、 コクピット開口部の前端から後方へかけて、RP上方550mmの高さまで下がっている。 こういった形状は、空力的にはフットボックスが高い方が都合が良く、 一方でサバイバル・セル(モノコック)側面は低い方が視界が良好となるので、 フットボックス上面からサバイバル・セル上端へかけてなだらかな段差がつけられているのである。 サイドポッド両端の下面前端からは、前方へボーダープレートが伸びているが、 これと上下同調する様にサイド・ディフレクターの上端から前方へボーダープレートが伸びており、 この部分でディフレクターの後流の進路を積極的にコントロールしようとしている。 サイドポッド前側の上部には、流行の気流制御板が装着された。 ミニ・ウイングのステーはS字状となってボディカウルと接続している。 フェアリングフィンとリヤカウルは面積が少なめで開放的なデザインとなっている。
エンジン・カウルの後端は、規定を満たした上でなるべく切り取られている様子。 リヤ・ウイングの考え方は、昨年から引き続き、 ロワ・ウイング上面の気流はアッパー・ウイング下面の気流とシンクロさせる様に上方へ跳ね上げ、 ロワ・ウイング下側の気流は、テールライトの上側へと導いている。 ロワ・ウイングの中央部には規定内で許される幅で延長フラップを装着している。 この様な空力デザインとすると、ロワ・ウイングより後部でのリヤ・クラッシャブル・ストラクチャー 及びテールライト上面でリフト・フォースが発生すると思うが、 その部分での小さな損失よりも、リヤ・ウイング全体としての流れ方を重視した選択という事になる。 (このページの最新更新日:2007. 1.17)
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