トヨタ TF109   text & by tw  (2009. 1.15木)

2009年 1月15日、トヨタの2009年用マシン「TF109」が発表された。
写真は、GPUpdate.netや、トヨタ公式WebサイトF1-Live.com等を参照。
以下、マシンの概観から筆者の私見を記す。


2008年12月23日(土)に本サイトで掲載した事前の筆者の2009年度マシンと同じく、ノーズ先端はハイノーズとなった。
これは今(2009)年からの新規定で、フロントウイング中央部にフラップを付けられなくなり、
フロント中央部分をダウンフォース獲得に利用する事が困難になった為だ。

新車TF109発表時点でのフロントウイングの翼端板は独特の形状だ。
現時点ではフロントに上段フラップは装着されていないが、
開幕戦までに上段フラップは装着されるのか、またはこの翼端板の形状だとしたらどの様に装着するのかが楽しみだ。
恐らく開幕戦には新しい空力パッケージが登場するだろう。



フロントサスペンションの形式は、筆者の予想は外れ、ゼロキールのままとなった。
これは車体底面へ供給する気流の質を良い状態とするのが目的だが、
ゼロキールでは本来のサスペンションのジオメトリーとしては極端な悪影響があり、
筆者はゼロキール式には懐疑的だ。

車体を上から観て、フロントのダブルウィッシュボーンの前側アームは後退角が着いた。
この事から、前輪の位置は車体へ近づいた事が判る。
これにより先日発表フェラーリF60同様、ホイールベースの短縮が予想される。

モノコック前端上面のプッシュロッドを収める部分は若干膨らんでおり、
少しでもプッシュロッドの角度を立て様としている。



サイドポッド両端手前には、禁止されたと思われたボーダーフェンスが設置されている。
この辺りのテクニカルレギュレーションについて英文の読めない筆者はよく事情を知らない。

サイドポッド側面は下部へ斜めに絞り込んでいる。
これはサイドディフレクターの設置の自由度が大きく制限された環境下でも、
前輪からの乱気流を絞り込み整流する新しい時代の空力デザイン思想だ。

サイドポッド上面は現代F1の常等手段で、後方へ向かって高さを下げている。
しかしシャークルーバースリットやチムニーが禁止された為に、
ラジエーター・エアーを通過させるサイドポッド内部は容積を昨年までよりも大きく取らねばならず、
サイドポッド上面は極端な絞り下げとはなっていない。



エンジンの排気は、先日のフェラーリF60と同じく、サイドポッド上面からの上方排気となっている様だ。
今(2009)年の技術規定ではサイドポッド・エンドからの排気となると予想されたが、上方排気で車検OKなのだろうか?


(このページの最新更新日:2009. 1.15木

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