マクラーレン MP4-13   模型製作 & text by tw  (2007. 5.04 / 2011.01.09)


1998年のマクラーレンのフロントサスの動きを模型で示す。
バンプ ストロークすると、車体側のプッシュロッド付け根が下がる。
下の写真の左がバンプ ストローク時、右がリバウンド ストローク時。





サスペンションの内部ユニットの詳細は不明だが、
ロッカー(ベルクランク)の接続角度はこの様な設定となっていたと思われる。

(このページのここまでの最新更新日:2007. 5.04


マクラーレンが1998年から2000年まで使用していた、
謎のフロント・サスペンションについて、
ロッカー作動様子の映像(左)を追加。

プッシュロッドとロッカーはこの様な軌跡で作動していたが、
この角度設計と謎のサスの機構の関連性は不明。



走行中、フロントサスのスプリングは、車体で発生する強大なダウンフォースを支えているにも関わらず、
コーナー縁石の乗り越え時(イン側タイヤ)や、ストレートでの路面のバンプ(左右両輪)や、
ピット作業後にもジャッキから車体を「落とす」と、「ポコン」とバンプ・ストロークしていた。

この様子は、1998年の開幕戦のオンボードカメラや、ニュルブルクリンク予選の最終シケインのスロー映像で確認できる。
特に後者のシーンでは、サスを固めて縁石乗り上げ時にもほとんどストロークしないフェラーリと比較して顕著だった。

ノーズコーンを取り外して見える内部構造の写真や映像はほとんど存在していない様だ。
筆者が知る限りでは、「F1グランプリ特集」誌の2000年 8月号 94ページに、少し中が観える写真が掲載されている。
それともの凄くうろ覚えだが、2000年(?)だったかのフランスGP予選で、ピットガレージの映像で一瞬観えた様な記憶もある。

他チームでこの様に作動する謎のサスの採用例は、2000年か2001年のサンマリノGP予選(だったと思う)
のセクター2のシケイン縁石乗り上げ時のジャガーくらいしか筆者は目にしていない。

筆者はあの謎のサスの仕組みを長い間考え続け、この様な機構、「可変バネレート・サスペンション」(2001.10.02) を発案した。

マクラーレンの物と同じ仕組みかは不明だが、もしかしたらこういった機構なのかも知れない。

尚、いつだったか思い出せないが、筆者がF1誌で目にした噂な記事で、
あるエンジニアが特殊なサスのアイディアを発案し、ロードカーの「マクラーレンF1」のレース仕様車に搭載していたが、
後にマクラーレンのF1チーム部門が、発案者の許可を得ずにその機構をF1マシンに採用してチームが訴えられた、
という内容を目にした記憶がある。

(このページの最終更新日:2011.01.10月

Site TOP マクラーレン index