2011年 2月01日、トロロッソの2011年用マシン、「STR6」が公開された。
今年もフェラーリ・エンジンを搭載し、KERSシステムもフェラーリが採用する物と同一仕様の供給を受ける様だ。
トロロッソ・チームの規模からしてKERSを扱うのは負担が大きそうだが、
規定でテスト走行が制限されている現状、フェラーリ側がKERSの開発テストデータを更に採れると云う意向の要素が強いのかもしれない。
それでも何とかトロロッソがKERSを使いこなせたならば、レースの決め手となるスタートダッシュ、
コース上での追い抜きおよびディフェンスにおいて、強力な武器となる事は間違いないだろう。
それでは、新車「STR6」の写真は、ESPN F1 ニュース速報 Live 等を参照。 以下、概観から筆者の私見を記す。
昨年のトロロッソのその隆起は、上端がコブと云うより鋭利な形状であったが、
今季からの規定改定の影響か、それとも本家レッドブルの空力データの影響か、鋭利な隆起の高さは控えめにされた。
コクピット側面の最低高の規定は、リファレンスプレーンの上方へ 550mm だが、
今季の新規定により、コクピット前方の最大高は、550mm の位置から上方へ 120mm以下、
つまり、リファレンスプレーンの上方 670mm以内 とされた。
2011年テクニカル・レギュレーション 第15条 2項 3:
「第2の構造の最高点は、基準面から上方 670mm を超えてはならず、第17条 3項で説明される静的荷重テストに合格しなくてはならない。」
(この規定は、2013年に更に低くされる予定らしい。)
前から見ると、サイドポッド上面は、両端へ高くされた。
しかし、サイドポッド手前両端の縦のベーンは、規定内の最大高 600mm よりも低く、空力デザインの追及性に疑問が残る。
インダクションポッドのカウルは、レッドブルと違い、シャークフィンとされてはいない。
筆者には、後は特に綴るポイントはあまりなさそうだ。
今季のトロロッソの課題は、コンストラクターとしての自立度を高める事だと思う。
新しく入手した写真から、今回のSTR6のサイドポッドのアンダーカットは、サイドポッド最後部まで続いている事が明らかとなった。
こういった形状は、サイドポッド側面下部を狭く絞り込んだ2003年のフェラーリを見て、全チームが風洞等で試し済みかと思うが、
実戦投入は今回のトロロッソが始めてとなる。(筆者に記憶忘れがなければ。)
筆者もこれは2003年スペインGP以降からの常套手法で、本サイトで確認できるものでも、
2005. 9.12掲載デザインや、2006. 9.16土掲載デザイン(後図でよく判る)で記録に残っている。
サイド・ディフレクターと、サイドポッド両端手前の縦のベーンさえ、しっかり空力設計してあれば、
アンダーカットは最後部まで続いた方が、気流進路の安定性が良いかもしれないと思う。
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