BMWザウバー F1.08   text by tw  (2008. 1.15)


2008年 1月14日、BMWザウバーの2008年用マシン「F1.08」が発表された。
写真は、F1-Live.comや、GPUpdate.net等を参照。
以下、概観から筆者の私見を記す。
各部パーツの呼称については、[各パーツの名称]ページを参照。


昨年のF1.07と今年のF1.08に車体の全体的な概観に大きな差は見受けられないが、それでも各部分はより洗練されている。

ノーズコーンは短めで、フロント ウイングのメイン ウイングは2枚に別れた。
フロント ウイングは計3枚翼となっている。
昨年のマクラーレンに習って、ノーズからのウイング ステーはフロントの2枚目のウイングに接続している。

BMWザウバーの特徴は、フロント ウイングを規定一杯の範囲まで延ばしている事だ。
規定で許された区間については、フェラーリF2004Mのページの右図を参照。
BMWザウバーのフロント ウイングは規定で許された部分を、下方へも前方へもかなり積極的に活用している。
こうする事で理論的には通常の走行時にはL/D比が良くなるが、
実際の走行時にはこうしたウイングは車体のピッチングによるダウンフォース変動量が大きな問題となる。
よってBMWザウバーのセッティングにはフロントの気流変動の影響を相当配慮しなければならない。

前輪ホイール外側のカウルは、一部はタイヤの外側まで伸びている。
カウルにはブレーキの熱気の排出口が見当たらないが、ホイール内側から排出しているのだろうか?

フロントサスは、車体側の接続部分、前後のアッパーアームとプッシュロッドの3箇所はそれぞれカウリングされた。



エンジンカウル両脇のミッドウイングは、マクラーレンを真似たバイキング式に加えて、更に水平翼を追加した。
この水平翼は現行の規定の中で実行できる新しいアイディアだ。
これらは大きくなったサイドプロテクターが乱す気流を整流させる役割があるのかもしれない。

サイドポッド上面にはシャークルーバースリットが切られている。
これは2005年にルノーが打ち出した手法と同様の考え方のものと捉えて良いだろう。

サイドポッドのフェアリングフィン下側にはミニ・フラップを設ける等、芸が細かい。

リヤ サスペンションを収めるカウリングの膨らみは大きめで、
これは空力よりもメカニカルグリップを優先した考え方となる。

(このページの最新更新日:2008. 1.15
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