マクラーレン MP4-26   text by tw  (2011. 2. 4金〜2. 5土)

アイドリアン・ニューウェイがマクラーレンを去った後、
2006年に当時チーム代表であったロン・デニス(現マクラーレン・グループ会長)は、
現在のマクラーレンの組織構造上、テクニカル・ディレクターの必要性は無いとコメントしていたが、
あれから5年が経ち、マクラーレンはようやく新たなテクニカル・ディレクターの役職を設けた。
エンジニアリング・ディレクターであったパディ・ロウがテクニカル・ディレクターを勤める。
そして、ティム・ゴス(1998年マクラーレン入り、2010年チーフ・エンジニア)がエンジニアリング・ディレクターとなった。

2011年 2月4日(金)、マクラーレンは2011年用マシン「MP4-26」を発表した。
「MP4-26」の概観は、マクラーレンのサイト 等を参照。 以下、概観から筆者の私見を記す。



ノーズ先端は高い。上面のラインは、先端からコクピット開口部へかけてストレートな形状だ。
昨(2010)年に装着していたノーズ下面のセパレーターは撤去された様だ。

サイドポッド上面がこのマシンの最大の特徴かもしれない。
上面の、内側はとても低く、外側は一般的な高さとされ、もの凄い段差がつけられた。その高低差は150mm程はあるだろうか。
これは筆者が14才の時、1991年から追求してきたデザインの一つである。筆者宅に在るノートやメモにはいくつもの同様の形状のスケッチが残っている(筈)。
例えば本サイトにはこんなスケッチも残っている。

それは、サイドポッド上面は、車体内側のエリアはリヤ・ウイングへ大量の気流を供給したく、
一方で外側は、前輪が巻き起こした乱流を整流する為に高くした方が良いと判った事から始まったデザインである。

だがこの手法は、前側のデザインはごく簡単なのだが、課題となるのが後部でどう繋げるかで、
ボディワーク自体をどうデザインするか、気流の上流と横流をどう合流させるかで、これが難しい部分だ。

そしてF1では2009年から、サイドポッドの辺りの角には 半径75mm以上のR がつけられていなければならないと規定され、
内側と外側で段差をつけるデザインは一層困難になっている。
この規定下で、これだけ大胆な段差サイドポッドを実現したマクラーレンはとても良い仕事をしたと思う。



インダクションポッドは、エンジンエアインテークのやや後部に、カウル上側から側面に覆い被さる様なエア・インテークがあり、
ダブル・エア・インテークと云った感じだが、2つに分けた理由は何だろうか?

エンジンカウル後部はレッドブルを真似た大砲型の排気口があり、
全体的に後部へ狭く絞り込んだサイドポッドの内流を、なるべくディフューザーやリヤ・ウイングへ悪影響を与えない様に排出している。

リヤのボディを低める為に、リヤサスはプルロッド式とされた。

リヤ・ウイングに中央のステーは無くなり、翼端板で支持するタイプとなった。

(このページのここまでの最終更新日:2011. 2. 4金

(2011. 2. 5 訂正更新)

昨日本ページにて、
「ノーズ先端は高い。昨(2010)年に装着していたノーズ下面のセパレーターは撤去された様だ。」
と綴りましたが、実際にはノーズ先端はやや低くされ、セパレーターも残されていました。お詫びして訂正致します。

(このページの最新更新日:2011. 2. 5土
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