アイルトン・セナの記憶。(4) 伝説の4台抜きオープニングラップ、優勝!

text by tw (2021/ 5/11火)

1993年 Rd.3 ヨーロッパGP(ドニントン)

ドライコンディションでの予選結果。

1位1分10秒458A.プロスト(ウイリアムズ・ルノー)
2位1分10秒762D.ヒル(ウイリアムズ・ルノー)
3位1分12秒008M.シューマッハ(ベネトン・フォード)
4位1分12秒107A.セナ(マクラーレン・フォード)
5位1分12秒738K.ベンドリンガー(ザウバー・イルモア)

決勝レースはウエット。セナの怒涛のオープニングラップが始まった。

まずスタートでベンドリンガーが3位にポジションアップ、
セナは若干出遅れ、M.シューマッハが前に出たが、1コーナーでセナがシューマッハを刺し返して、5位から4位へポジションアップ。

続くコーナーで、大外からセナはベンドリンガーを豪快に追い抜いた! これで4位から3位へ。

続くコーナーで、セナはヒルのインを刺して、3位から2位へ!

バックストレート後のブレーキングで、セナはプロストのインを刺し、2位から1位へ。

この後ピットと無線連絡の問題で色々あったが、セナはウイリアムズのヒル以外の全てを周回遅れにして優勝した。
雨の中では無敵だった。

このレースで、ああ、これ以上の人間なんて、もう無いな、と筆者は思った。
このドニントンの時、セナはピークであったと思う。

ピークという事はこの後は衰えるという事を意味し、
終盤のポルトガル予選では、リザーブから昇格したM.ハッキネンに少し負けたし(エンジンの個体差もあった様だが)、
ただし続く鈴鹿ではハッキネンへセッティングを隠したらセナの方が予選上位につけている。

スピード的に、A.プロストもセナも、1993年後半には、明らかにキャリアのピークから下っていた様に筆者には観えたし、絶対しない筈のミスもした。
プロストはハンガリー予選アタック完了後の1コーナーで無意味なスピンアウト。
セナはモンツァ決勝で、コクピットで何かを調整作業したら、次のブレーキングでリジェのブランドルのリヤへ衝突。

この1993年の最終戦アデレード予選でセナはポールを獲り、
決勝レースではプロストとバリバリのタイム争いを延々と続けながら、優勝。
これがセナの最後のF1GP優勝となった。


(1) 鈴鹿セナプロ接触事件

(2) 6速のみ神がかりの勝利

(3) 死闘モナコGP

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