車がコーナリングすると、コーナーの外側へ向けて遠心力(横G)がかかる。
遠心力は車の重心へ作用する。
コーナーで車体が外側へ傾く動きを「ロール」と呼ぶが、
「車の重心高」と「タイヤと路面の接地点」とを結んだ三角形を描くと、ロールの理由が解る。
車体重心が、路面よりも高い位置にあるので、横Gが加わるとロールする訳だ。
車体に同じ力の横Gがかかっても、平たい三角形となっているほどロールしようとする力が小さくなる。
上の絵を、車を横から見た図 だと想像すると、
ブレーキングGでノーズが沈む理由や、加速Gでリヤが沈む理由が解る。
車輌が安定した走行をするには、トレッド変化量は少ない方が望ましいだろう。
次は、基本的なロールセンター高の求め方を示す。
まず、アッパーアームとロワアームを仮想線で車体内側へ延長して、その二つの線が交わる所が瞬間中心。
瞬間中心からタイヤと路面の設置点までの長さがスイングアーム。
スイングアームと車体中心線の交わる地点がロールセンター高となる。
下の図は、上がF1のシングルキール車で、下が2004年のウイリアムズ風のツインキール車。(寸法は適当)
赤い線が 上方へストロークした状態。ロールセンターは下がる。
黒い線が 通常のタイヤ位置。
青い線が リバウンド ストローク(*下方へ降ろ)した状態。ロールセンターは高くなる。
上の図から、ストロークするとキャンバー角も変化する事が判る。
・2004年ジャガー及び2005年マクラーレンのフロントサス内部レイアウト推察図
・2005年マクラーレンのゼロキール。空力を優先したフロントサス